代用しうる試験法

GMP

先日、承認書の「別紙規格欄」及び「規格及び試験方法欄」に規定する試験方法に代用しうる試験方法を実施する場合の取り扱いに関する説明会が開催されました。

代替試験法に関する通知

代替試験法については過去に下記の関連通知が出ております。

「新医薬品の規格及び試験方法の設定について」

→平成13年5月1日医薬審発第568号審査管理課長通知

2.7. 代替法(Alternative procedures)

別の測定法によって、原薬または製剤のある属性を承認申請書記載の方法と同等あるいはそれ以上によく管理できるようであれば、その方法を代替法として用いてもよい。例えば、製造工程で原薬が分解しないことが確認されている錠剤の出荷試験には、承認申請書記載の方法がクロマトグラフ法であっても、吸光光度法を用いてもよい。しかしながら、代替法による適否の判定に疑義が生じた場合に、その製剤が有効期間を考慮した判定基準に適合しているかどうかを最終的に判定するためには、承認申請書記載のクロマトグラフ法を用いる必要がある。

「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検に関する質疑応答集について(その3)」

→平成28年3月22日医薬品審査管理課事務連絡

No.1の回答 

承認書に医薬品医療機器法第41条及び第42条に基づく基準(日本薬局方、放射性医薬品基準及び生物学的製剤基準等)によるとされている品目又は事項については、各基準の通則において、「(各基準に)規定する試験法に代わりうる方法で、それが規定の方法以上の真度(正確さ)及び精度(精密さ)がある場合は、その方法を用いることができる。」旨の規定があることから、当該通則を満たす代替試験法については承認書と「相違なし」となる。

求めに応じ、代替試験法として妥当であることが説明できる資料を社内で準備しておくこと。

「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について」

→薬生監麻発0428第2号監視指導・麻薬対策課長通知

10.第7条(医薬品製品標準書)関係

(3) 医薬品製品標準書の記載事項は、その製造所における製造・品質関連業務の適切な実施に支障がない内容及び範囲で足りるものであり、当該製品に係る医薬品の他の製造所における製造工程(保管を含む。)、承認事項等の全てについて記載を要するものでないこと。

① 第7条第1号及び第3号関係

(イ) 日本薬局方等の公定書又は規格集を参照している試験検査について、当該公定書又は規格集の規定に基づき、規定の試験法に代わる試験検査の方法が規定の試験法以上の真度及び精度がある場合であって当該試験検査の方法が用いられるときは、当該試験検査の方法及び品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて当該試験検査の方法の妥当性を示す根拠

そして今年の6月に、新たに下記の通知が発出されました。

代用法に関する通知

1.医療用医薬品の製造に当たり承認書の別紙規格欄及び規格及び試験方法欄に規定する試験方法に代用しうる試験方法を実施する場合の取扱いについて

→令和5年6月21日付け薬生薬審発 0621 第4号

代用法により試験を行うことは、それが真度(正確さ)、精度(精密さ)等の分析能パラメータにより規定の試験方法と同等以上の分析性能があることや当該方法により承認規格への適合・不適合が確認できること等が検証及び文書化され、GMP省令(平成 16 年厚生労働省令第 179 号)に基づく管理が適切に行われている場合は許容され得る。

代用法は、基本的に、規定の試験方法と同一の原理の試験方法であることを前提とする。ただし、原理が異なる場合も2.(3)(イ)に該当する場合には代用法として取り扱うことができる。また、代用法は、その試験結果について疑いのある場合には、規定の試験方法で最終の判定を行うことを前提に実施される。

既承認医薬品に係る通常時の試験方法として、今後も代用法を継続する場合は、製造販売承認事項の一部変更承認申請等を行うこと。

2.要指導医薬品及び一般用医薬品の製造に当たり承認書の別紙規格欄及び規格及び試験方法欄に規定する試験方法に代用しうる試験方法を実施する場合の取扱いについて

→令和5年6月21日付け薬生薬審発 0621 第4号

※医療用医薬品も要指導・一般用医薬品も基本的には同様

説明会の開催された背景

これらの通知が発出されたことから、代替試験法が認められるということではなく、代用法を継続する場合は一変が必要ということかと結構モヤっとなりました。そこで今回のような説明会を開催して頂いたようです。満員御礼だったことからも関心の高さが伺えます。

明確にされた点など

説明会ではこの最新の通知についてもう少し掘り下げた講義やQ&Aを受けました。

「代用法」という言葉が出たのは、ICH.Q6Aの代替法(Alternative procedures)と区別するためとのことです。

代用法はどのような場合を考えているのか?というと、例えば定期的に行われるメンテナンス時に用いる方法であったり、製造機器の故障時に用いられる方法であったり、ということのようです。その場合は同等性を検証し(クロスバリデーション)、文書化し、保管しておきましょう。

製造の際に、代用法を実施することは予め標準書や手順書に定めておきましょう。手順書に定めておけば、GMP上の逸脱とはみなされません。

将来のGMP調査で、代用法の妥当性や手順書への記載、OOSの処理、変更管理記録、規定の試験方法が手順書通り支障なく行えることを定期的に確認した記録などを確認されることがあるので、その際には求めに応じて提出できるようにしておきましょう。

今後、Q&Aなども発出されていくようですので引き続き確認していく必要があります。

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